轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たしんきょう
多神教
泉 鏡花
「文藝春秋」1927(昭和2)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,787 字 · 36 页
この時ちらちらと降りかかり、冬牡丹、寒菊、白玉、乙女椿の咲満てる上に、白雪の橋、奥殿にかかりて玉虹の如きを、はらはらと渡り出づる、気高く、世にも美しき媛神の姿見ゆ。
媛神 (白がさねして、薄紅梅に銀のさや形の衣、白地金襴の帯。髻結いたる下髪の丈に余れるに、色紅にして、たとえば翡翠の羽にてはけるが如き一条の征矢を、さし込みにて前簪にかざしたるが、瓔珞を取って掛けし襷を、片はずしにはずしながら、衝と廻廊の縁に出づ。凛として)お前たち、何をする。
――(一同ものも言い得ず、ぬかずき伏す。少しおくれて、童男と童女と、ならびに、目一つの怪しきが、唐輪と切禿にて、前なるは錦の袋に鏡を捧げ、後なるは階を馳せ下り、巫女の手より梭を取り受け、やがて、欄干擬宝珠の左右に控う。媛神、立直りて)――お沢さん、お沢さん。
巫女 (取次ぐ)お女中、可恐い事はないぞな、はばかり多や、畏けれど、お言葉ぞな、あれへの、おん前への。
お沢 はい――はい……
媛神 まだ形代を確り持っておいでだね。手がしびれよう。姥、預ってお上げ。(巫女受取って手箱に差置く)――お沢さん、あなたの頼みは分りました。