轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

「大阪日日新聞」1947(昭和22)年5月24日~8月9日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,871 字 · 134 页

青空文庫

という意味での、取りかえしのつかぬ想いに、小沢をうろたえさせたのだ。

ところが、女中の話では、

「昨夜ご一緒に来やはった女の方、あれは本真の奥さんと違いまっしゃろ――。あの女はこれでっせ」

と、人差指をクの字に曲げるのだった。

手癖が悪い――泥棒だというのである。

驚いて、きくと、隣の部屋の女客の著物を盗んで逃げたというのである。

しかし、そうきいても、小沢は雪子に失望したり、急にいやになったり、するようなことはなかった。

むしろ、何だかますます可哀想なような気がするのだった。

小沢は宿屋を飛び出すと、雪子の行方を探して歩いた。

が、夜になっても、雪子の姿を発見することは出来ず、空しく探しているうちに、夜の十時を過ぎた。

小沢はふと亀吉のポケットにはいっていた果し状のことを思い出すと中之島公園へ駈けつけて行った。

小沢が中之島公園の図書館の前へ駈けつけた時は――。

豹吉を取り巻いている隼団の連中を兵古帯のお加代をはじめ青蛇団の連中が取巻き、龍太の拳銃とお加代の拳銃が虚々実々の阿の呼吸をはかりながら、今にも火花を散らそうとしていた。

「諸君!」

と、小沢は声をかけた。