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たいしょうじゅうにねんくがつついたちよりのとうきょう・よこはまかんたいしんかさいについてのきろく

大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,429 字 · 19 页

青空文庫

たところへ、さっと荷物におちるので、むしやきになった。その旋風のつよさは、半蔵門に基さんが居たとき、三尺に五尺ほどのトタン板がヒラヒラと舞う。

三日の晩松坂屋がやけ始め 四日の朝六時に不忍池の彼方側ですっかり火がしずまった。

父上が先の森さんのうちの前で見ると、九十度位の角度に火が拡って居た。

○不逞鮮人に対する警戒はきびしく思いちがいで殺された人間(鮮人、邦人)が多い。二日三日の夜には、皆気が立ち、町内の有志が抜刀で、ピストルを持ち、歩いた。四日頃からそのような武器を持つことはとめられ、みな樫の棍棒を持つことになった。

やりをかつぎ、闇からぬきみをつき出されたりした。

◎野沢さんの空屋の部屋で、何かピカリピカリと電気が見えるので変に思って行って見ると、日本人の社会主義者が一人つかまった。

今度、放火したり、爆薬を投げたりしたものの中の大多数は日本人の社会主義者だと云う話がある。真ギはわからないが、若し日本の社会主義者が本所深川のように、逃場もないところの細民を、あれほど多数殺し家をやき、結局、軍備の有難さを思わせるようなことをするとしたら、実に、愚の極、狂に近い。