轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいのうしゅじゅつ

大脳手術

海野 十三

「富士」1945(昭和20)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,185 字 · 31 页

青空文庫

私は失望を禁じ得なかったと共に、珠子に対して或る不満をさえ始めて感じた。

だが、私は帰途についてから、思いかえしてもみた。珠子から私へあてた移転の手紙が、今郵便局の配達員の手にあるのではないか。もう一日も待てば、その封筒は私の家へ届けられるのではなかろうか。

私は家へ戻って、ひたすらにその手紙の到着するのを待った。時間は遅々として、なかなか捗らなかった。私は縁側に出て日向ぼっこをしながら、郵便配達員の近づく足音を一秒でも早く聞き当てようと骨を折った。しかし私の望みはいつまで経っても達せられなかった。

私の気持は、段々と侘しくなっていった。まだ明日という日もあるものをと、自分を叱ってもみた。しかし侘しさは消えなかった。私は自分の脚の毛脛を――いや、これはあのとき売物を買って取付けたものであるが、今はこれが自分の脛の第二世となっている――それを撫でるともなしに撫で始めたが、侘しさが一層加わるばかりであった。この脚は、美しくてすらりと長かった私の前の脛とは全く異り、皮膚がいやにがさがさし、悪性のおできの跡が、梅干を突込んだような凹みを見せてそれが三つもあり、おまけに骨が醜くねじれていた。