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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
23 他生の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 页
偉大なる科学者は必ずこの二つを心得ている――というような気焔は揚げませんでした。
こうして二人は社前を辞して大宮原にかかる。ここは三十町の原、この真中に立つと、富士、浅間、甲斐、武蔵、日光、伊香保などの山があざやかに見える。
原の中で米友が草鞋の紐を結び直しました。
十一
こうしてある者は南船し、ある者は北馬して江戸の中心を離れる時、例の三田四国町の薩摩屋敷ばかりは、いよいよ四方の浪人の目標となって、ここへ集まるものが絶えません。
今日も数十人の者が一席に集まって、群議横生のところ。
いよいよ甲府城を乗っ取るの時機が熟したという者がある。
さて、甲府を定めて後は、天険によって四方を攻略すること、武田信玄の如くあらねばならぬというものもある。
それに備えるの要害を利用すること、北条氏康の如くでなければならぬというものもある。
さてまた一方には、相州荻野山中の陣屋を焼討して、そこに蓄えられた武器と、軍用金を奪い取るは、朝飯前だと豪語する者もある。
他の一方には、関東の平野を定めるにはやはり平野から出づるのがよろしい、それには野州の野に越したものはない、栃木の大平山、岩舟山、出流山等は、平野のうちの屈竟の要害だと主張するものもある。