轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

30 畜生谷の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 74,962 字 · 145 页

青空文庫

の真似事を試みまして、そうして、後にこの名古屋の城下に御見参に参った次第なのでございます。つづいて、信長、頼朝の諸公と遡って、心ばかりの回向と供養を捧げたいと心がけておりまするうちに、皆様の御好意を以て、数ならぬ道庵に対し、今日も、明日もと、お招き下さる御好意に甘え、ついまだそれを果す機会がございませんが、かく幼少よりあこがれの英雄の本場に来り、かく皆様の多大なる御好意に浴すること、返す返すも感謝に堪えない次第で、何を以て、この御好意に酬いんかに、ホトホト迷い切っている次第でございます……つきましては、拙者が当地に於て、ホンの僅かの日子ではございますが、その間に、多少の見聞によって、感じましたことを、私が申し上げて御参考に供したいと存じます。もとより浅見にして寡聞、お腹の立つような申上げようも致すかもしれませんが、これも他山の石として御聴取を願い得れば、光栄の至りでございます」

ここまで異状なく、道庵が述べて来ました。やはり、聴衆は神妙で、水を打ったような静かさですから、道庵の方でつい持ち切れず、とうとう力負けがしてしまいました。

実際、道庵の演説には、弥次が出なければ、演説者自身の方で持ち切れなくなるのです。