轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

37 恐山の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页

青空文庫

さっさ押せ押せ、と言いながら、そうして自暴に漕ぎ出してからのお前さんは、いったい、この舟をどこまで漕ぎつけるつもりなのですか。下関といえば内海の果てでございます、それから玄海灘へ出ますと、もう波濤山の如き大海原なんでございますよ。ここは近江の国の琵琶の湖、日本第一の大湖でございますが、行方も知らぬ八重の潮路とは違います、それだのに、米友さん、お前さんの、今のその漕ぎっぷりを見ていると、本当に下関まで、この舟を漕ぎつけて行く呼吸でした。下関までではございません、玄海灘――渤海の波――天の涯、地の角までこの舟を漕ぎかける勢いでございました」

百三十二

お喋り坊主の弁信法師は、一気にこれだけのことを米友に向ってまくし立てたが、その間も安然として舳先に坐って、いささかも動揺の色はありません。

こちらは、いささか櫓拍子をゆるめた宇治山田の米友は、呆れ面に弁信の面を見詰めていましたが、ちょっとお喋りの呼吸の隙を見て、

「よく、喋る人だなあ、お前さんという人は……」

と言いました。

米友は、お喋りが即ち弁信であり、弁信が即ちお喋りであることを、まだよく知らないから、一気にまくし立てられて呆れ返るばかりでありましたが、弁信の減らず口はまだ続きました。