轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

37 恐山の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页

青空文庫

だから、この船の内外でも、茂太郎の出鱈目がはじまると、最初のうちは苦笑したものですが、今ではそれがはじまると、かえって自分たちが鳴りをひそめて、そのうたうだけを歌わせ、聞けるだけを聞いてやるという気になって、わざと静まり返るようにもなっている。そこで、このごろでは、茂太郎は、その壇場を何人にも乱されることなく、ほしいままに占有することを許された形になっている。

マドロス君のような

だらしない奴でも

また憎めないところがある

戻って来れば

私は悪い気持がしない

七兵衛おやじが

当分戻れないと

考えると悲しい

悲しいのは

そればかりじゃない

たずねて

わからない人が

幾人もある

逢いたいと

思うけれども

逢えない人が

この世に

幾人もある!

こう言って、茂太郎は、行住坐臥の間に、常にその小脇にかいこんでいる般若の面を、ちょっとゆすぶりました。

わたしは

弁信さんに逢いたい

わが親愛なる

盲法師の

お喋り坊主の

弁信よ

甲州の上野原で

別れてから

海山はるかに

行方がわからない

弁信さん

お前は今

どこにいるんだい

逢いたいなあ

弁信さん

朗徹なる童声のうちに、ここで幾分かの感傷が加わりましたが、やがて、調子がうつって、在来の俗謡になりました。