轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

37 恐山の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页

青空文庫

な気持に迫られました。

お松の紹介の言葉も、ほとんど耳に入らないでいると、先方の言葉は存外穏かな、気品のある言葉で、

「そうですか、それは御苦労でしたな」

という船長そのものの言葉が耳に入った途端に、お松が、

「駒井の殿様――いえ、船長様でいらっしゃいます」

と紹介したのですが、柳田平治は極めてブッキラボウに、

「は、そうですか、拙者、柳田平治です」

と答えたきりです。

「君は南部の恐山方面から出て来られたそうだね」

駒井甚三郎は、田山白雲からの手紙を置いて、柳田平治に問いかけると、

「は、左様であります」

と、ここでもシャチコばった返事だけです。

単にこれだけの挨拶でしたが、そこに、何かそぐわない空気をお松は早くも認めたのですが、さて、急にどう取りつくろう術もないでいる。

駒井甚三郎は、ただ単に、初対面の書生を引見しただけの気分でしたが、柳田の方は最初からの一種異様な印象が、この時分になって、ようやく不快を萌してきました。

駒井甚三郎がその長い刀の方へ眼をつけると、この船長、これが眼ざわりだな――と変に疑ぐり、駒井が黙っていると、気取って山出しのおれを軽蔑している――柳田の頭は、ようやく反感から僻みの方へ傾いて、