轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

38 農奴の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,484 字 · 60 页

青空文庫

七

なるほど、そう気がついたのも道理で、この旅の者の物言いぶりがあまり際立ったので、誰も彼もが、晒しを見る眼をうつして、この、ひとり昂奮した旅の者の方へ集中させられるのですから、はっと気がついたのですが、それにしてもこの旅の者が、一方ならずテレたり、怖れたりする様子が変です。

あんまり自分の物言いぶりが過ぎたと感じ、彼はテレて、こっそりと口を押えたまま人混みに紛れようと試むるらしい時に、その後ろにいた千草の股引をはいて、菅笠をかぶり、腹掛をかけたのが、ちょっと後ろからすがるようにして、

「モシ」

と問いただしたものです。

「エ」

呼びかけられてみると、挨拶をしないわけにはゆかなかったが――挨拶というより寧ろ捨ぜりふで逃げ足と見えたのを、千草股引が、また食留めにでもかかるもののように押迫って、

「あんたはん、あの晒しの男は、この土地の百姓じゃあないとおっしゃいましたか」

「え、その、何ですよ――そうです、そうです、たしかに人違いなんですよ」

と言って、やっぱり振り切るように急ぎ足になるのを千草股引は、透かさず追いかけるようなこなしで、

「お手間は取らせませんが、そこでひとつ、お聞き申したいんですが、あんた様ぁ、あの者の身性をよく御存じなんですか」