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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
34 白雲の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 页
「なるほど、伊達政宗がローマへ使を遣った時の船が、ここから出たのですか」
「そうです、それが最初から我々の頭にあるものですから、石巻とは言い条、寧ろここを我々の投錨地――次第によっては当分、第二の根拠地と想像して、予定してやって来たのですが、来て見ると案外でした」
「どう案外でした」
「どうも、政宗があれだけの船おろしをしたのは、この浦ではないようです」
「どうしてそれがわかります」
「あの時は――政宗が拵えた船は、幕府からも船大工十人の補助を受けてやった仕事なのですが、長さが十八間、幅が五間半、高さが十四尺、乗組は南蛮人を合わせて百八十人という多勢ですが、どうもこの地へ来て見ると、ここでそれだけの造船がやれそうには思われないのだ」
「なるほど」
「伊達政宗という人は、船を造ることにはかなり興味を持っていた男だが、その事業や、野心の程度などについては、多くの疑問が残されている、月ノ浦の地形を見て、いよいよその問題が大きくなってきたところだ」
「そうだろう、独眼竜、あいつ、なかなか食えない奴だからな」
と田山白雲が、伊達政宗を友達扱いででもあるように言い放ちますと、駒井甚三郎が、