轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里介山『大菩薩峠11』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 页
小牧であり、大垣であり、岐阜であり、清洲であり、東海道と伊勢路、その要衝のすべてが、尾張名古屋の城に集中する。
今し、彼等の間に拡げられた大地図は、尾張の中原平野の地図であって、その上に筋違に打布かれたのが、尾張名古屋城の細部にあたる絵図面であります。
そこで、一座の陰謀の中心は、尾張名古屋の城の研究ということに集まっているらしい。一座の異彩、名古屋から昨晩着いた紅売りの女――も多分、それがために有力な資料を持ち来した一味の同志の一人と見るよりほかはありますまい。
「名古屋は、怖るるに足りない」
と一人が言いました。
「水戸を、徳川というものに反逆させたのが光圀でありとすれば、尾張を、徳川家から去勢させたのが宗春だ――宗春以後の尾張は、華奢と、遊蕩と、算盤との尾張だ、算盤をはじいて女道楽をする気風の間から、天下の大事は捲き起らない、敵としても怖るるに足りないが、味方として頼むには足りない尾張、やがて風向きのいい方へ、どちらでも傾くよ」
と言った壮士は、おたがいに呼ぶところの名をもってすれば、相良と言ったり、小島と言ったりする。
どうも、その談論風発の勢い、どこぞで見たところのある――ああ、そうそう、たしかにあれは三田の薩摩屋敷にいた。