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たいようとほしのした
太陽と星の下
小川 未明
「新児童文化 第6冊」1950(昭和25)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,419 字 · 11 页
このとき、耳もとへ、ささやくものがありました。大空をわたる、初夏の風が、草の葉を分ける音でした。
「おごるものは、おごらせておくがいいのさ。かならず天罰があたるから。いつ氷河がやってくるかもしれない。あまり不意で、逃げるひまのなかった、マンモスの肉が、まだくさらずに、氷の中から出たというではないか。それどころか、今日にでも、太陽が大爆発をしないとかぎらない。そのときは、地球上のものは、ことごとく焼けてしまうのだ。」
あいづちをうつごとく、どこかの工場から、正午の汽笛が鳴りひびきました。少年は、これを機会に、丘を下りたのでした。
机の前にすわって、雑誌を見ていると、Kくんが、ボールをしないかと、S少年を呼びにきました。
すぐ外へとび出すと、
「畑へ、いこうよ。」と、Kが、いいました。
このころまで、家と家の間の通路となっている路地しか、子供たちにとって、遊び場がなかったのを、ようやく、青物が出まわり、家庭菜園などというものが影を消してから、ふたたび、いままでのごとく、空き地や、原っぱが、子供らの手にかえったのです。したがって、彼らは、あやまって、窓のガラスをわり、しかられることもなく、たのしく、のびのびとして、ボールが投げられるのでした。