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たいようけいとうのめつぼう

太陽系統の滅亡

木村 小舟

「冒険世界」1907(明治40)5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,244 字 · 15 页

青空文庫

ことは出来ぬ、彼は実に畢生の勇気を鼓して、おもむろに宣告した。

「敬愛なる満場の諸君子、予はここに終に悲むべき結果を諸君に報告せざるを得ぬ、不運なる場合に立ち至った、只今大天文台よりの非常信号は、月の軌道が俄然地球に接近したという一事である、これ正しく地球の滅亡を意味すべきものだ、吾々はもはや最後の手段を採るの外、何らの策をも知らないのである、過日来の同盟会議が、殆ど無用に属し、一の得る所もなかったのは、予の衷心悲む所である、ああ敬愛なる諸君、諸君は各自自由の行動を採り給え、吾々はここに同盟会を解散すべき運命に陥ったのである」

老博士は毅然として言い終った、失望落胆に沈んだ聴衆は号泣して屋外に走ったが、この時月の引力に依って起った大海嘯は、たちまちにしてその半数以上の人命を奪い、次で宏大なる同盟会議所も、又激浪の呑む所となって仕舞ったのである。

と見れば月は朦朧たる影を以て、宛然魔神のごとき顔して、今にも地球に衝突を試むべく、刻々相近接して来る、その勢の猛烈なる、その表面の猛烈なる、とても再びとは見られぬ図だ。

生き残りたる