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おんなのいっしょう
女の一生
森本 薫
「女の一生」文明社、1946(昭和21)年10月刊、初演は1945(昭和20)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,068 字 · 25 页
さあどうしますなどという出来事は今のところひとつもありませんよ。
章介 ああ、利巧なようでも女は女だ。共にアジアの形勢を論ずるには足らんな。
しず アジアの形勢は論じなくてもよろしいからいい加減に本気でお嫁さんのことでも論じていただきたいですね。
ふみ ほんとだわ。叔父さまの身の回りのお世話はみんな私とお姉さまにかかってくるんですからね。早くお仕立て物から解放していただきたいと思うわ。
章介 仕立物とアジアの形勢か。どうも君達の話の飛躍的なのには驚く他ないね。
総子(二十一)
総子 あの、叔父様、こちらでお食事なさるんですか。それとも何処か他へお廻りになるんでしょうか。
章介 そうですね。食べて行けと仰言しゃれば御馳走になってもよろしいし、他へ廻れと言われれば廻っても悪くないんですがね。
総子 それじゃ困りますわ。食器の都合もありますし、叔父様が召し上るのならお酒のお仕度もしなくちゃならないんですもの。
章介 総子さん、君は仲々家庭的で思いやりがあっていい婦人だ。きっと倖せになりますよ。
総子 あら、でも私、こういう台所のことするの好きなんですもの。だけど困ってしまうわ。