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おんなごうとう

女強盗

菊池 寛

「新大阪新聞」1947(昭和22)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,200 字 · 11 页

青空文庫

北の対と云えば、官邸に使われている女中達の宿である。きくと、女中の誰かが強盗をかくしているに相違ないと云うので、女中を一々呼び出した。すると、その中に大納言殿と云われる上席の女中がいたが、それが風邪気味だと云って、出て来ない。それを、たとい人に負われてもよいから出て来いと云ったので、仕方なく出て来た。呼び出しておいてから、その局をさがして見ると、血のついた小袖が出て来た。怪しいと云うので、床板をめくって見るとさまざまの物をかくしてあった。訴人の男の云う通り緋の緒でくくった袴も、長刀も出て来た。その外に、一つの古い仮面が出て来た。その仮面をかぶって男装して、指揮していたらしい。党類を責めとうたがどんなに、責められても白状しなかった。長官は、自分が使っていた女中が強盗を働いていたのを謝罪する意味もあったのであろう。白昼に、牢獄へ護送した。たいへんな見物であった。その頃の女はきぬかずきと云う面被をつける例であったが、それをぬがせて、諸人に顔を見せた。二十七、八ばかりのほそやかな身体つき、髪なども美しいよい女であった。

三

これも女強盗の話である。