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じょなん

女難

国木田 独歩

「文藝界」1903(明治36)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,695 字 · 45 页

青空文庫

ただむやみと私が可愛いので、先から先と私の行く末を考えては、それを幸福の方には取らないで、不幸せなことばかりを想い、ひとしお私がふびんで堪らないのでございました。

ある時、母は私の行く末を心配するあまりに、善教寺という寺の傍に店を出していた怪しい売卜者のところへ私を連れて参りました。

売卜者の顔はよく憶えております、丸顔の眼の深く落ちこんだ小さな老人で、顔つきは薄気味悪うございましたが母と話をするその言葉つきは大変に優しくって丁寧で、『アアさようかな、それは心配なことで、ごもっともごもっとも、よく私が卜て進ぜます』という調子でございました。

老人は私の顔を天眼鏡で覗いて見たり、筮竹をがちゃがちゃいわして見たり、まるで人相見と八卦見と一しょにやっていましたが、やがてのことに、

『イヤ御心配なさるな、この児さんは末はきっと出世なさるる、よほどよい人相だ。けれど一つの難がある、それは女難だ、一生涯女に気をつけてゆけばきっと立派なものになる』と私の頭を撫でまして、『むむ、いい児だ』としげしげ私の顔を見ました。

母は大喜びに喜こびまして、家に帰えるやすぐと祖母にこのことを吹聴しましたところが祖母は笑いながら、