轻松读懂日语经典作品
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ようえい
妖影
大倉 燁子
「オール読物」文芸春秋、1934(昭和11)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,489 字 · 22 页
「いいえ、休むのではありません。ただ娘が夜気を恐れますので――。どうも体が弱いもんですから、とかく我意ばかり申して仕方がございません。何でしたら私共の室へお遊びにいらっしゃいませんか、続きのお話をいたしましょう」
彼等の部屋はどこにあるのだか知らないが、私の部屋の方が近いので私の方へ遊びに来るように誘ってみた。
「お差支えなかったら私の方へおいでになりませんか、部屋はこの階段を降りると直ぐ右手の角ですから」
最初お嬢さんの方は遠慮して来たがらない容子だったが、私が、頻りとすすめたので、遂々二人とも来ることになった。
お嬢さんには柔かいソファーをすすめ、向い合って椅子に腰かけた。何か御馳走でもしようかと思って時計を見るともう十二時を過ぎている。ボーイを呼ぶのも余り遅いし、それに一人でないとしても、こんな時間に女の訪問客はきまりが悪い。どうしようかと思っていると私の心を察したらしいお父さんは、そそくさと部屋を出て行ったが、直ぐ両手にウイスキーの瓶やチョコレートの箱などを持って戻って来た。
お嬢さんはコップにウイスキーを注いでお父さんに毒味をさせてから、私にも注いでくれた。