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みょうなこ
妙な子
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,425 字 · 5 页
私は人から妙な子と云われるのを格別苦労にも思わなければ又かなしいとも思わない。もしかすると妙な子と云われるのがほんとうなのかもしれない。まだ世の中のことを知ったようでまだ知りきれない半じゅく玉子のようなブヨブヨした私の心にはいろいろな不思議な事があり又不安心な事が大沢山ある。それがたぶん私の妙な子と云われるわけなんであろう。
私の一番不思議で又知りたいのは、
人間はなぜ生きて居なければいけないのか、死にたい時に勝手に死んでもよさそうなものだに。
と云う事である。その答として母の云ったことは、
「天職を全うするため」だと。
又私はその天職ってものがどんな事が天職であり又神様の思っていらっしゃる天職であろう。天職と云って居るのは人間であるから若しや神様の思って居らっしゃる天職とはかけはなれた事を天職だと云ってやしないか。
母の答はこうであった。
「女の天職と云えば立派な世の中に遺す事業のような事の出来るような子を産むのが女の天職である。なぜかと云うと神様の作った世界がほろびずに行くと云うのは女が子を産む事があるからで神様は自分の作った世界のほろびる事を望んで居られる筈はない。