轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つまのこと

妻のこと

江戸川 乱歩

「わが夢と真実」東京創元社、1957(昭和32)年8月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,803 字 · 8 页

青空文庫

隆子は高等小学校は対岸の鳥羽町へ舟で通い、それから、坂手からは遠くにある亀山町の三重県立女子師範に入学し、下宿したり寄宿舎に入ったりして、そこを卒業し、卒業と同時に、自宅のある坂手村の小学校に奉職した。

私は大正六年の十一月ごろから、大正八年の正月まで、神戸鈴木商店の経営していた鳥羽の造船所に勤めたが、その大正七年のことだと思う。私は若い同僚たちと「鳥羽お伽会」というものを作り、鳥羽町の劇場や、付近の小学校などでお伽話の会をひらき、同僚たちといっしょに、演壇でお話をして喜んでいたものだが、あるとき、近くの坂手村小学校でも、この会を開くことになり、その交渉に出かけたとき、教員室ではじめて隆子に会ったのである。そして、お互に認めあったらしいのである。そのころの隆子は田舎にしてはととのった理知的な顔をしていたし、笑顔もよかった。進歩的な考えも持っているようにも見えた。それから文通がはじまり、まあラブレターのやり取りをしたものである。

しかし、私は恋愛と結婚とを別物に考えていた。まことに申し訳ないわけだが、私の性根は別項、「恋愛不能者」に告白しているとおりで、結婚を予想する恋愛ではなかった。