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つまのざ
妻の座
壺井 栄
「新日本文学」1947(昭和22)年8月、1949(昭和24)年2月~4月、7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,695 字 · 165 页
乏しい生活をする百姓の嫁は、最後の糊鍋はなめたように糊袋で拭って使わねば姑の気に入られないのだ。小麦の二粒三粒分の糊がくっついているとその姑はやかましくいったという。ミネと同じ年の小梅さんという女は夫に妾が出来たのが不満で離婚した。ミネの仲よしのツルエという女は許婚だった従兄の夫がいやでたまらず、とび出した。嫁の掟にそむいた三人の女。お秋さんはあてつけのように再婚したがそこでは三人の子の母であった。そして自分の生んだ子は別の女を母とよぶようになった。小梅さんもやはり二人の子のある男に再縁したが、ここでも夫には別の女がいてそこに入りびたっていた。小梅さんは子供の母として、家の妻として迎えられたのである。いやでとび出したツルエさんでさえも二度目の結婚は仲人まかせで、しかも父子ほど年がちがっていた。小梅さんの元の夫は妾だった女を妻に迎え、ツルエさんの捨てた夫は妻に逃げられたことの同情からか初婚の娘をあてがわれて仕合せそうに暮していた。自分の子を他人の手にまかせ、他人の子を育てるお秋さんはどんな思いを抱いているだろうか。小梅さんはまたどんな気持で二度目の夫の妾を見ているのだろうか。