轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つまのざ

妻の座

壺井 栄

「新日本文学」1947(昭和22)年8月、1949(昭和24)年2月~4月、7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,695 字 · 165 页

青空文庫

私さえ努力すればうまくゆくことだと気がついたの。私、野村にたのんでみる。」

この前より事態は、全く変ってきていることさえ閑子は分らないのだろうか。しかしミネは、こんな積極的な閑子をみたことがなかった。一生懸命なのだ。野村から返事がないとなれば、子供にすがるしかよりどころない閑子なのだ。いくら平凡な閑子だとて、このくらいのさわぎはせずにいられないのだろう。残っていた荷物を全部揃えて出かける閑子を、ミネは駅まで見おくってやさしい声でいった。

「あたってくだけろっていうから、やってみるのね。やるだけのことをやってみなくちゃ、閑ちゃんも納得できまいから。大たい、あんまりはたで膳立てしすぎたようだものね。あんたにすりゃ、そう思うでしょう。それでだめなら、あんたもあきらめがつくでしょう。そのときは元気を出してさっさと帰ってらっしゃい。世間は広いんだから。」

ミネは、不体裁な閑子の戻りぶりを幾分かでもおぎなおうと、駅前の八百屋でリンゴとみかんを買って子供たちにもたせた。

「私、ちっとやそっとのことでは戻ってこないつもり。出てゆけといわれてもそうなったらがんばるつもりよ。