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ふじんとぶんがく

婦人と文学

宮本 百合子

※「作品について」参照

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页

青空文庫

もあり『番紅花』『詩歌』『朱欒』等のほか、片山広子のアイルランド劇研究の載った『心の花』もあるという盛観であった。

伊藤野枝が引きついで満一年後の大正五年の新年、『青鞜』はその経営の困難をまざまざと語って表紙には何の絵もなく発刊された。寄稿の中に吉屋信子の稚拙な詩があるのも面白く、更に注意をひかれることは、此号に初めて、山川(青山)菊栄が執筆していることである。津田英学塾を卒業してのち、社会問題の研究に進んでいた彼女は、当時まだ山川均との結婚前で、『番紅花』にカアペンタアの翻訳などをのせたりもしている。『青鞜』に彼女が寄稿したのは、伊藤野枝の廃娼運動否定論に対する反駁であった。

当時、歌人として地位を確立していた与謝野晶子が、今日からみるとその人のテムペラメントにふさわしいとも思えない堅い論文調で、社会時評を盛に執筆していた。それまで『青鞜』の人々が、刻々の時にふれた時評をしそうであってそれをしなかったことは、彼女たちの社会的な成長の程度をも反映して興味ある事実であるが、晶子が選挙運動に婦人の活動することにふれて書いた文章に対し伊藤野枝が、そういう有閑婦人の活動を無意味なものと評価しつつ、それと同類の暇つぶし、無益な努力として、廃娼運動をも否定的に評した。