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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
けれどもその『女性改造』や『婦人公論』が僅か数年の命脈を保っただけで廃刊されなければならなかったというのは、折角純粋な目的をもって創刊されたこれらの婦人雑誌は、『改造』『中央公論』社なぞの営利的利害から見れば、儲けがすくなくて損になったからである。『婦人世界』や『主婦之友』の所謂婦人雑誌の低俗さが日本の社会における婦人の位置の低さに巧につけ入りつづけたのであった。進歩的な婦人雑誌廃刊の事実と所謂モダン・ガールという流行語の発生とが、略々時を同じくしているという社会的な事実は、何を語っているであろうか。
『青鞜』が廃刊になってから五年目の大正九年、平塚雷鳥が「新婦人協会」を創立して、翌年の議会には参政権や花柳病男子排斥案を請願したことは、興味がある。自我離脱の天才論を唱えていたらいてうも、今や妻・母としての現実から、日本の民法が女子というものをどんなに片手落ちに扱っているかをも切実に省察するようになって来たことがうかがわれる。結婚した女性が、妻となるや否や民法上無能力者とされるということも意外であるし、子供と母との断ちがたさに照らしてみれば、両親のうち父だけに親権が認められて、無能力者たる妻、母は、夫婦の財産に対する権利、親としての権利を持っていないことも、らいてうの疑問をよびおこした。