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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
こんな結末にしろいかにも明治二十二年ごろらしい。憲法発布のお祝いが東京市中をひっくりかえしているときに、森有礼が刺され、文学では山田美妙の「胡蝶」の插画に初めて裸体が描かれ、それに対する囂々たる反響が、同じ読売新聞にのっている。
その時分の文芸批評の方法や形式というものには客観的な基準などなくて、美妙の插画への嘲笑も「東京にはZORAが出まして都の花をさかせます。いかにも裸は美妙です。なるほど『美』はARTにはないものと見えます」と、徳川時代の町人文学の一つであった川柳、落首の様式を踏んでいる。ZORAでなくてZOLAですよ、という投書ものっている。この読売新聞に医学士森鴎外がカルデロンの戯曲を翻訳し「調高矣洋絃一曲。三番続」としてのせていたのが、美妙の插画に対する世論の卑俗猥雑さにつむじをまげて、まだまだ日本人にカルデロンなんか勿体ないというのを、篁村がなだめてつづけさせていることも語られている。鴎外の訳詩集『於母影』の出たのはこの年のことであった。
こういう社会の雰囲気や真実を求めつつ新旧の間で混雑している「婦女の鑑」と見くらべれば、花圃の「藪の鶯」