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ふじんのそうぞうりょく
婦人の創造力
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房、1952(昭和27)年5月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,667 字 · 31 页
そういうようなものが私どもの文学です。そういう意味では、男の作家も女の作家も表面上区別はありません。先程申上げたぐにゃぐにゃした女心など一つも必要としません。女は女として生れているから、お婆さんになっても女の可愛らしさ、女の美しさがる。男はお爺さんになっても男の雄々しさ立派さというものがある。そういう風な素直なあるがままの人間として、熱心に真面目に生きて行く人間としての文学、そういう情熱の溢れるものとしての文学、お互いがお互いの言葉として話せる文学、そういうものを求めているわけです。ただ文学は一つの技術が要りますから、いきなり誰でもここにいらっしゃる方みんなが小説を書くことはできません。しかし、文学というものは師匠がなくても済む、これは一つの面白い特徴だと思います。皆さんどんな人でも一生のうちに手紙を書かない人はないでしょう。十五、六歳に誰しも日記を書き始めたくなって書きます。一生続ける人もあるし、途中で止めてしまう人もあるけれど。況してこの戦争では夫を或は子供を戦線に送った人々は皆手紙を書いています。あれは一つの文学的な歩みからいうと日本人というものがものを書くということについての大きな訓練だったと見ることができます。