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ふじんさっか
婦人作家
宮本 百合子
「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页
を書いた。良人に死なれた婦人にむけられてきた封建的な偏見に対して、率直に闘いを宣言した。この一冊によってやす子は啓蒙的な婦人評論家、作家として成功した。四十歳をいくらもすぎないで生涯を終ったやす子が、晩年にある青年を愛して批評がおこったとき、「偉い男がおしゃくを可愛がるように、女が男を可愛がるのが何故悪いだろう」という意味をいった。
俊子とやす子と、二人の言葉は、あまり女に自由のない日本の社会の悲劇を語っている。同時に、資本主義社会の矛盾の中で「恋愛の自由」が畸型的なものにならざるをえない悲劇をも語っている。
一葉以来、晶子、らいてう、俊子と、これらの婦人たちは、なんと勇敢にとび立とうとしてきただろう。そして、なんと打ち勝ちがたい力で、その翼をおられてきただろう。
夏目漱石は、婦人に対して辛辣な文学者であった。「吾輩は猫である」の中に女の度しがたい非条理性が戯画的にとりあげられて以来、「明暗」にいたるまで、彼のリアリスティックな作品に登場する現実的な女性は、男にとって不可解な「我」を内心にひそめて、何かというと小細工をもてあそぶ存在としてみられている。