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ふじんさっか
婦人作家
宮本 百合子
「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页
作者は日本の暴力、やくざの世界が市民生活の民主化を妨げ(例えば「暴力の街」)、労働者の生命をおびやかすものとして(読売の争議その他の争議へのなぐりこみ)権力に利用されていることについて具体的な知識をもっている筈である。「地底の歌」はやくざの世界の封建性を批判しようとしながら、作者は彼等の世界にある人情に妥協して、反民主勢力としての日本のやくざの反社会性をえぐり出していない。自他ともに「逞しい生活力」を作家的特質として認めているこの婦人作家の今後の動きは注視される。
佐多稲子は「私の東京地図」をもって新しい出発に踏みだした。この連作で作者は戦災によってすっかり面がわりした東京の下街のあすこここを回想的に描き出しながら、そこを背景として、一人の勤労する少女が働く若い女となり、やがて妻、母として階級にめざめて行ったみちゆきを描いた。「私の東京地図」と「女作者」「虚偽」「泡沫の記録」などをよみあわせたとき、二十年前に「キャラメル工場から」を書き、プロレタリア文学の歴史に一定の業績をのこしているこの作家が、複雑な良心の波にゆすられながら、民主主義の婦人作家として自身に課している努力を理解することができる。