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よめとりむことり

嫁取婿取

佐々木 邦

「婦人倶楽部」1929(昭和4)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,654 字 · 175 页

青空文庫

「耳よりね。幾つ? お年は」

「二十七と仰有いました」

「丁度そんな方がいましたよ。妹さんがおありでしょう?」

「えゝ。大勢らしいのよ」

「去年一人亡くなったのよ。お芽出度い方は分りませんが、悪い方丈けはお墓で直ぐに分りますわ」

「厭なお附き合いね」

「本当にね」

「三郎が昨日大学へ行った序に寄って参りましたの」

「関口さんへ?」

「えゝ」

「気の早い人達ね。お前達で引受けてしまったの?」

「いゝえ、お子さんのことで度々お出下さるからよ。無論序に様子を見て来て戴いたんですけれど」

「何んな風?」

「大きくやっているそうですわ」

「奥さんは安子を欲しいとか貰いたいとかとハッキリ仰有ったの?」

「お芽出度いお話を墓地の関係で持って上ったんじゃ何うせ塩花ものでございましょうなんて、それとなく私達に頼み込んだ積りらしいのよ。察して上げなければなりませんわ」

「それで三郎さんが見に行ったの?」

「まあ然うよ」

「学校は何処卒業?」

「あら、大切なことを忘れていました。帝大よ。経済学士よ。誂え向きじゃございませんか?」

「然うね」

「お父さんに申上げて見ましょうか?」

「駄目よ」

「何故?」

「商家ですもの。