轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よめとりむことり

嫁取婿取

佐々木 邦

「婦人倶楽部」1929(昭和4)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,654 字 · 175 页

青空文庫

他人の始まり

と喧しく呼んだ。

「何?」

と安子さんが出て来た。

「飛行機々々! あら、彼方にも、あら此方にも」

と二郎君は彼方此方を指さした。

「馬鹿ね」

と安子さんが担がれたことを覚った時には、もう一方の縁側から忍び込んだ芳子さんが机の中の写真を盗み出していた。

「兄さん」

と芳子さんは俊一君の部屋へ駈け込んだ。

「成功々々」

と二郎君も戻って来た。

「若旦那々々。相変らず愛嬌が好いや。おい、今度は見つからないように返すのがむずかしいぞ」

と俊一君が言った途端、

「芳子、芳子!」

と呼ぶ安子さんの声が聞えた。

「これはいけない」

と俊一君が慌てた。次の瞬間に、

「ひどいわ。兄さん、ひどいわ」

と安子さんは俊一君に縋りついた。二郎君は遮ったけれど、声を立てられるのが恐ろしい。写真は真の一目見た丈けで取り戻されてしまった。

他人の始まり

茶の間ではお母さんと春子さんがヒソ/\話し込んでいた。里はいつ来ても好い。鉄瓶の蔓にも茶箪笥の戸棚の木目にも昔懐しい思出が動いて、春子さんは自然長座になる。お母さんも長男よりは長女が相談相手だ。

「先刻の様子ではお父さんも気に入ったようね?」

「えゝ」