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こざるとははざる

子ざると母ざる

小川 未明

母が子供に読んできかせてやる童話

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,102 字 · 5 页

青空文庫

寒い西風が吹いて、木の枝が動くのを見ると、山のお家が恋しくなるのでした。

「お家へ帰りたいな。ひとりでは、道がわからないし、自分の力では、腰についている鏈を切ることができない。」

子ざるの目からは、熱い涙がわきました。

そこへ、つえをついて、白いひげのはえた、おじいさんがきました。

「孫たちがほしがるので、この子ざるを、私に売ってくださらないか。」といいました。

「おお、酒屋のご隠居さんですか。あなたが、このさるを買ってくだきれば、私は、町へ持っていく骨おりなしにすみます。」と、かりゅうどは、答えました。

子ざるは、こうして、その日から、酒屋の正ちゃんや、かね子さんの遊び相手となったのです。

かね子さんも、正ちゃんも、どちらも欲張りでした。

「このおさるは、僕のだよ。」と、正ちゃんがいうと、

「いいえ、このおさるさんは、私のよ。」と、かね子さんがいいました。

「ちがうよ、僕のだから。」

二人は、たがいにいい争って、祖父さんのところへききにきました。

祖父さんは、ただ笑って、返事にお困りになりました。

「さあ、だれのだろうな。それは、おさるさんにきいてみるのが、いちばんいい。