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がっこうきょういくにおけるとしょかんのりよう

学校教育における図書館の利用

佐野 友三郎

「帝国教育 第四一〇号」1916(大正5)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,251 字 · 16 页

青空文庫

検索せしむるを要す。当初は進歩遅遅たるの観あるべしといえども一たび児童の興味を喚起し自学自修の習慣にして養成せらるれば終極の進歩は刮目に値すべし。

国語辞書に次ぎて必要なるは少年用百科辞典の編纂なり。従来、中小学生徒を対象とせる事彙、辞典類の刊行なきにしもあらざれども地名、人名、名数等多くは彙類毎に排列索引を異にし実用においても、一般百科辞典の入門としても不便なれば、まず人名、地名、文芸等を主とせるものと理化博物農業等を主とせるものとを編纂し、小学校第五学年もしくは第六学年よりこれが使用法を授け、まず教科書中の事項より始め、やや進みては新聞雑誌または日常生活に密接せる事項につき児童をしてあるいは個別的に検索せしめあるいは宿題を課して一整に筆答せしめ練習を重ぬるに従い漸次統計年鑑の類に及ぼすべし。かくのごとくせば授業の進行を阻害するの虞あるべきかなれども時々読方、地理、歴史、理科等の時間の一部を割くのみにて足るべく、敢て纒まりたる時間を要するにあらず、これがため教科書の程度、教材の分量は仮令今日に比し幾分低減すとも、直ちに知識の宝庫を示しこれが秘鑰を授くるは限りあり、固定知識を多量に授けて応用に苦しましむるに優れり。