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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
「少年クラブ」1947(昭和22)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,497 字 · 29 页
二少年のたのみの綱は、ある雑誌の増刊で、「月世界探検案内特別号」という本が一冊あるきりだった。
その本によると――地上からの高度六十キロメートルから百三十キロメートルの間の空間において、いん石は空気とすれあって火をだしてとぶ、これすなわち流星である――と、かんたんに書いてあるだけだった。その流星の中には宇宙艇に命中して艇をこなごなにするような大きなものがあることや、それがとんで来たときにどうして艇を安全にすることができるか、などということはちっとも書いてなかった。
だからここまで来たのはいいが、二少年はたいへん心ぼそくなってしまった。山ノ井の方はとくに心配をはじめた。
「やあ、あれは何だろう。大きな山が光ってみえるぜ、おい千ちゃん、あれを見な」
川上が急に大きな声をだして、横の、のぞき窓に顔をおしつけて、わめきたてる。
山ノ井は、はっとした。大きな山が光ってみえる。もしそれが大いん石であって、それに正面からぶつかられると、もうおしまいだ。かれは席からのびあがって、川上がのぞいているとなりに顔をおしつけて、外のようすをうかがった。
うるしを流したようにまっ黒い大空。