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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
「少年クラブ」1947(昭和22)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,497 字 · 29 页
それでも地球からは、かすかながらも無線電話がカモシカ号のアンテナにとどいた。しかしそれは、とくに大切な連絡のために使われるだけであって、一日のうちに五分ずつ、たった三回にすぎなかった。
しかしその五分間の無線電話によって、カモシカ号のことが、内地でたいへん人気があることもわかってうれしかった。また、金星探険団のマロン博士一行の乗っているロケットが針路をあやまって大まわりをしたために、いまだに金星につかないで、金星のあとを追いかけて太陽のまわりをぐるぐるまわっているが、このちょうしではもう地球へもどれず、博士一行は宇宙で遭難し白骨になるのではないか、と心配されている、といういやな報道もあった。
このカモシカ号が、マロン博士一行みたいな運命におちいってはたいへんである。二少年は、たいくつの心をふるいおこして、一所けんめい艇のエンジンのちょうしをしらべ、そのほか艇が持っているいろいろな装置をしらべて、故障のおこらないようにつとめた。
艇は気密室になっていた。気密室とは、空気がもれない部屋のことをいうのだ。もしこの気密がわるくなり、艇内の空気が外へもれはじめると、二少年は呼吸ができなくて死んでしまわなければならない。