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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
「少年クラブ」1947(昭和22)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,497 字 · 29 页
そのとりつけかたをすると、船がどんなにかたむいても、らしん儀の表だけはちゃんと水平にたもたれるのだ。――カモシカ号の操縦者とともに、いつも重力の方向にじっとしていて、横にかたむいたり、さかさになったりしないようにたくみに設計されているのであった。
だから宇宙艇カモシカ号がまっすぐに上昇しようと、水平方向にとぼうと、あるいはまた宙がえりをしようと、操縦席はいつも直立不動で、操縦席にいる人間は家の中でいすに腰をかけてじっとしているのと同じことであって、たいへんらくである。
そのかわり宇宙艇の頭は、すきとおったあつい有機ガラスと、じょうぶな鋼鉄のわくとをくみあわせて、半球形になっていて、操縦席がどっちへむこうとも、いつでも艇の外が見られるようになっている。
艇は、垂直に上昇をつづけている。
太陽の光りはあかるく円屋根の左の窓からさしこんでいる。
高度は、今しがた七千メートルを高度計のめもりがしめした。
下界は、はばのひろい濃いみどり色のもうせんをしいたように見え、そのもうせんの両側にガラスのような色を見せているのは海にちがいない。まるで白い綿をちぎったような小さな雲のきれが、艇と下界のあいだに浮いて、じっと、うごかないように見える。