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うちゅうせんぺい
宇宙尖兵
海野 十三
「新青年」1943(昭和18)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页
運転台には灯がついているが、それも非常に暗い。
「ああ、すみません。旦那の倚っ懸っているところにスイッチがありまさあ。それをちょっと右へひねってくださいな」
と、部屋の隅から声がした。高声器がつけてあるのだ。古い自動車には似合わぬ贅沢な仕掛だ。
「スイッチがあるって、ああ、これか」
右の肱掛の少し上にスイッチがあった。それをひねれというのだ。
僕はスイッチをぽつんと右へひねった。
すると急に頭がじいんと痛くなった。そして胸がむかむかしてきた。これはいかんと思って、ポケットから手巾を出そうとすると、これはどういうわけか手に力がはいらない。
(失敗った……)
と身を起そうとしたが、それも駄目であった。目の前が急に真暗になったと思うと、ぴかぴかと星のようなものが光った。それっきり後のことは憶えていない。
どこをどう引張り廻されたのか知らない。何時間だか、何十時間だか、それとも何日間だか知らないが、とにかく相当時間が経過したあとで、ぼくは気がついた。
僕は温い部屋の長椅子の上に長々と寝ていた。
「おや、ここは一体どこだろう」
僕は長椅子の上に起き上った。頭を振っていると芯がまだすこし痛む。