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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
03 伊達政宗の城へ乗込む――仙台の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,085 字 · 48 页
その大部分は六月から十月のシーズンにとれるのだそうだ。ところが我々は、そのシーズンでもないのに、たった二時間ほど鮎川の地にいただけで、一頭のクジラの水揚げにぶつかったのである。
それはミンク鯨であった。小イワシ鯨ともいうそうだが、一般にミンクと云っている。クジラというものには国際協定があって、何クジラは何十何尺以下は捕ってはならぬ、捕る期間はいつからいつまで、と規定があるのだそうだ。ミンクだけは規定がなく、年中捕ってもよいし、どんなに小さくとも構わない。もっともミンクという奴は、せいぜい二三十尺の小鯨なのである。しかし、日本人向きで、なぜなら、肉が大そううまいのだそうだ。外国人は殆ど鯨肉は食べないそうだね。
とれたミンクは十八尺五寸という小さいものだったが、さすがにフカやマグロとは胴体の太さがちがうね。これで二トン半ぐらいはあるそうだ。もっとも私はむかし甚兵衛ザメ(エビスザメとも云う)というのを見たことがあった。これは頭の先端がサイヅチ式になっていて胴体の太さが鯨にまけない怪物であった。
普通のキャッチャーボートは三百六十トンから四百トン、十四哩から十六哩の速力がでるそうだ。