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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
05 消え失せた沙漠―大島の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,648 字 · 26 页
朝日新聞の伊東支局へ電話をかけて大島バクハツかどうか問い合せたが、主人が不在で分らない。ぜひなく、古屋旅館へ電話をかけて、きく。古屋の主人が大島の東海汽船へ問い合してくれたが二十分もたつと大島の返事をきかせてくれましたね。こんなにカンタンに大島と通話できるとは知りませんでしたよ。大島ではバクハツらしいものは目下感じられません、という返事だとさ。ガッカリしましたね。こッちはすでに思いこんでいたのだから、キツネにつままれたように半信半疑ですよ。しかし、大島直々の御返事がそうなら、いかに信用したくなくとも仕方がないさ。
どうも寝ざめが悪いのさ。バクハツの実況を実見せずに大島を書くのが、まことに筆がすすまないのさ。どうせ書くからには、火口壁でバクハツにでくわし、熔岩に追っかけられてホウホウのていで逃げるようなあんまり利口な人のやらないことがしてみたいね。そういうことを賭けるのが、職業のタノシミというものですよ。すすまぬ筆をムリに動かしてる最中にバクハツ音をきいたから、即座に一人ぎめに思いこみ、にわかに勇みたち、空襲警報よりも慌てふためいて旅支度をととのえたね。