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あんごじんせいあんない

安吾人生案内

坂口 安吾

01 その一 〔判官巷を往く〕

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,119 字 · 34 页

青空文庫

少年はもっと生長して低能でなくなれば、幼児の理窟で、武器を握って人を刺しはしないだろう。私がこの少年にのぞむことは、悪を憎む心を失わず、早く大人になりたまえ、ということだ。大人は化け物ばかりだよ。君も化け物になるであろうが、大化け物になる素質はないようだ。

第二話 カゴヌケした娘の話  山口公子(二十歳)

ジミーと知り合ったのは、ホテルに勤務している頃で、二世だと自分でいっていました。私に対する好意を率直に表わし、親切にしてくれました。

二十歳の今日までの私の生活は、何不自由のないものでした。むしろ、両親から甘やかされ、我儘一ぱいに育てられた方だと、自分でも思います。でも、父も母も、私が年頃になると、私の行動に、とても神経質になり、うるさく干渉しはじめました。私が両親を説いて、ホテルに勤めるようになったのも、そんな重苦しい家庭の空気が、いやでたまらず、自由な社会へ出たかったからです。

だから、ジミーに対しては、別に恋愛感情など、なかったのですが、彼との交際は、私には救いでした。すべてが愉しかった。

遊ぶといっても、私はダンスなどできませんでしたから、銀座を歩いたり、映画を見たり、レストランへ入ったりするくらいなものでした。