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あんごしんにほんふどき
安吾新日本風土記
02 第一回 高千穂に冬雨ふれり≪宮崎県の巻≫
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,371 字 · 34 页
そういう土地柄という感じである。
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私たちが宮崎から青島をへて鵜戸神宮にいたる間のタクシーには自動車会社がバスガールを同乗させて説明させてくれた。たぶん自慢のバスガールなのだろう。容姿も美しかったが、声も美しく、そして何より感心したことは、その説明の抑揚に案内口調のイヤ味が少いことであった。つまりそれはこのバスガール個人の特技ではなく、宮崎のバスガール全体がそういう説明の仕方を教えられていることになるわけだが、この県のバスガールがコンクールで全国の一等になったそうだが、それが当然とうなずけるほど、イヤ味の少い口調なのである。こういう口調を発明するということは困難なことでもあるし賞讃すべきことでもある。案内ガールの抑揚なぞというものは相場がきまっていて、たいてい中にはさむ唄かなんかで腕をきそい、口調の方を変えることは気がつかないのが自然であろう。ところが口調を自然に近いもの、イヤ味の少いものに変えた。こういうところにもこの土地の人々の音に対する敏感さ、また音楽とともに生きてきた歴史の古さが感じられるように思ったのである。
タクシーにバスガールをつけて廻っていたのは私たちだけではなかった。