轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きゃくぎらい
客ぎらい
谷崎 潤一郎
「文学の世界」1948(昭和23)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,162 字 · 14 页
洋服の時はキチンとした背廣か、黒の上衣に縞ズボンか、でなければモーニング、帽子は山高帽を最も多く被ったが、和服の時は結城紬か大嶋に無地の羽織を着、いつも角帯をキリリと締めた町人いでたちで、一見商店の若旦那と云う恰好をしていた。そんなことが小山内君あたりの反感を買い、大家振っていやあがるなどと云われて憎まれたものだが、そうなると此方もいよ/\昔の仲間から遠ざかってしまった。田舎臭いことが嫌いな私は、自然書生臭いことも嫌いだったので、よほど語るに足ると思う相手でない限り、めったに文学論や藝術論などを闘わすこともしなかった。それと私には、文学者は朋党を作る必要はない、なるべく孤立している方がよいと云う信念があったのであるが、この信念は今も少しも変っていない。私が永井荷風氏を敬慕するのは、氏がこの孤立主義の一貫した実行者であって、氏ほど徹底的にこの主義を押し通している文人はないからである。
○
そんな次第で、最初私は交際嫌いにはなったけれども、無口になったとは思っていなかった。人に接する機会が少いから、従って口を利くことも少いのであるが、しゃべらせればいくらでもしゃべれるのであり、性来の巧妙なる話術、流暢軽快なる江戸弁は、自分がその気になりさえすれば時に応じて発揮し得ると考えていた。