轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふじ

富士

岡本 かの子

「文芸」1940(昭和15)年11月号~1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,579 字 · 82 页

青空文庫

そしてふた親はいかにあれ、女神があの山の如きであるなら、どうか自分もあの伯母さんのようになり度いものだと、理想をかの山に置いた。

女にだんだんもの心がつき、比較によって自分と他とを評価する力が生れて、福慈岳の評判を聞いてみると、その秀でさ加減はあまりにも自分の資格とはかけ離れたものであった。積といい量といい形といい、もはや生れながらにも及びつかない素質の異りがあると感じないわけには行かなかった。一つ山の眷属の女でどうしてこうも恵まれ方に違いがあるのだろう。女は福慈岳を眺めて、美しさよりぬけぬけとすまし返っているような感じが眼につくようになった。

「お伯母さまが、なにもかにも眷属中の女の良いところのものは一人で持ってらしってしまったのだわ」

うらやましさが嵩じて嫉みともなった。

「だから、あたしのような屑の女も、眷属中にできるのだわ」

そして、ふた親がとかく福慈岳に対して反感を持つような態度であるのは、平凡が非凡から受ける無形の圧迫から来るものであること、また、自分に山の祖神の嫡孫の気位を高く持たせ、それに相応わしい偉れた女に生い立たしめようとするのも、伯母に対するふた親の無意識の競争心から来るものであることを感付かないわけにはゆかなかった。