轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

てらだとらひこのついそう

寺田寅彦の追想

中谷 宇吉郎

「寺田寅彦の追想」甲文社、1947(昭和22)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,683 字 · 40 页

青空文庫

と言っておられた。

先生の日本文の方は、これは今さら述べ立てるまでもない。ただああいう立派な文章が、少なくも外見上は殆んど何の苦労もなくすらすらといくらでも流れ出ることが不思議であった。原稿なども非常に綺麗であった。ところどころに二、三字消したり直したりしたところがある程度で、まるで一度清書をされたのかと思うくらいのことが多かった。それは手紙を見ると一番よくわかるのであって、先生の手紙は漱石先生の手紙と並ぶべき、或る場合にはそれ以上に面白い手紙である。全集にある小宮さんや藤岡君宛の手紙には、先生の面目が躍如としているという以上に、非常な名文である。ロンドンで頂いた手紙の一節を引用してみよう。

しかし冬の自然は実に美しいと思候、春や秋の美しさは、三越松屋の売出しの帯や長繻絆の如く、冬の霜枯の山川はまことにローマ宮殿に古きゴブランの壁掛のくすんだ渋い美しさにも比ぶべくか、或いはむしろ古陶器古銅器の美しさにも譬うべくかと存候

上野博覧会たしか今日あたりから開会、その外フランス美術展もあるはず、ザワザワとのぼせて南の空風に縁側のふいてもふいても黄塵の積る時節となり候……。