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しょうらいのにほん
将来の日本
徳富 蘇峰
04 将来の日本
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,399 字 · 240 页
その窮屈もまたはなはだしからずや。かくのごときはなお可なり。この日本国には三百の領主あり。その領内はみな一の兵営にして、その営中の人民は決して自由の運動を有せざればわが封建の経済世界は取りも直さずこの一領地といわざるべからず。すなわちこの日本の面積平均三百分の一なる八十余方里をもってその一世界一天地とせざるべからず。すなわちこの豆大の天地において、この僅少の人民において、世界を挙げて、世界の人民を挙げて、その従事する職業はこれを概括して負担せしめ、その産出を求めざるべからず。かかる社会においてあに分業の法行なわれんや。あに損を去りて利に就くの便宜法行なわれんや。あに天の時を得、地の利を得、人の和を得、自然の傾向に従い、自然の職業をなすがごときこと行なわれんや。すなわち封建領地のありさまこそ老子のいわゆる至治の世ならんか。
〔註〕老子曰く。至治の極は、隣国相望み、狗の声相聞こえ、民おのおのその食に甘んじ、その服を美にしその俗に安んじ、その業を楽しむ。老死に至るまで相往来せず。
ああ封建至治の世界は実にかくのごとし。これあに吾人が希望するところならんや。