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しょうらいのにほん
将来の日本
徳富 蘇峰
04 将来の日本
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,399 字 · 240 页
ここにおいてかその区別漸次に生じ、しかして戦争のつねに絶えざる場合においては武備機関はひとりいよいよ開発し、生産の機関はいよいよ収縮するに至るなり。頼襄が、いわゆる光仁・桓武の朝、彊多事、宝亀中、廷議冗兵をはぶき、百姓を殷富にす。才、弓馬に堪うる者は、もっぱら武芸を習い、もって徴発に応ず。その羸弱なる者みな農業に就く。しかして兵農まったく分かる、といいしはすなわちこの事実なり。しかしてその勢い一躍して武備機関はただにその外部の敵を防御するに止まらず。防御の性質一変して攻略の性質となり、ついに生産機関をもその中に籠絡するに至るものなり。これに反し一国もし平和の場合に立つときは生産の機関はたちまちその勢力を増長し、武備の機関はまったくその下に圧伏せらるることもあるなり。
たとえばローマのごとき、その初めにおいては全国の人士みな兵士となり、みな農夫となり、生産武備相協同していまだ分離するを見ず。さればローマ有名の史家プリニー当時のことを言いて曰くその田地は大将の手にて耕され、その土壌は賞牌を冠したる犂のもとに開墾せらる。しかして農夫のこれを導く者また戦争の功労ありしものなりと。