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こねこはなにをしったか

小ねこはなにを知ったか

小川 未明

「少女倶楽部」1928(昭和3)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,213 字 · 11 页

青空文庫

「お父さんに、お願いして、いいといったら、飼ってくださいね。」と、兄のほうが、いいました。

「おお、うれしい。」と、姉も、いっしょになって、喜びました。

三人の姉弟は、お父さんの帰りを待っていました。そして、どうしても頼んで、それを許してもらわなければならないときめていました。

「三人で、その世話ができるなら、飼ってもいいが、おまえたちにできるかね。」と、お父さんは、笑っていわれました。

「できます。」と、姉弟は、答えて、とうとうかわいらしいねこの子を、近所からもらってきました。

小ねこは、同じ母親の腹から、いっしょに生まれた兄弟と別れて、この家にきて、こうして、長く養われることとなったのでありました。しかし、小ねこにとっては、それが、兄弟と永久の別れであったことはわかりませんでした。三人の姉弟は珍しがって、小ねこを下に置きません。小ねこもまた、みんなから別れてきたという悲しみを忘れて、はね上がったり、飛びついたりして、お嬢さんや、坊ちゃんたちと遊んだのであります。

三人は、自分たちが食べる前に、小ねこにご飯を造ってやりました。こんなふうに、小ねこがこの家へきてから、にわかに、家内じゅうが陽気になって、はや幾日か過ぎたのであります。