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しょうもんだいだいもんだい
小問題大問題
佐々木 邦
「現代」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,957 字 · 23 页
あの一週間は神社仏閣の前を通ると、必ずお辞儀をしたものです」
「万事然うさ。要するに成る様にしか成らないんだから、成功失敗とも後から顧みると、煩悶丈け正に持ち出しになっている。それだから人事を尽して天意を俟つんだね。長い一生だもの、足掻かなくても何うにか斯うにか心掛けている通りになる。万事会社に委せて勉強するさ」
と大抵石の上にも三年へ落ちつくが、実は津島さんのような都合好く先輩に死んで貰えた人は珍らしい。
土曜の晩は倶楽部が賑う。娯楽を通じて相互の親睦を計るようにと申渡されているから、新しい社員はその当座勤務の一端と思って詰めかける。年寄株は碁将棋、若い連中は玉突と大体定っている。
「おい/\、津島さんの恋愛談があるから来給え」
と玉突台のところへ態注進に来たものがあった。部屋の一隅では津島さんが、
「その娘さんと我輩が互に憎からず思い初めたのさ」
と二三人を相手にもう本論に入っていた。
「大切のところですから、もっと詳しく願えませんかな?」
と進行係は惜しがった。
「隣り同志だろう? まあ/\、その辺は曖昧にぼかして結果丈け話そう。年甲斐もないなんて碁打連中から苦情が出ると困る。