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しょうねんとあきのひ

少年と秋の日

小川 未明

「児童文学」1935(昭和10)年11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,765 字 · 6 页

青空文庫

もう、ひやひやと、身にしむ秋の風が吹いていました。原っぱの草は、ところどころ色づいて、昼間から虫の鳴き声がきかれたのです。

正吉くんは、さっきから、なくしたボールをさがしているのでした。

「不思議だな、ここらへころがってきたんだけど。」

どうしたのか、そのボールは見つかりませんでした。お隣の勇ちゃんは、用事ができて帰ってしまったけれど、彼だけは、まだ、思いきれなかったのでした。ボールがほしいというよりは、どこへいったものか、消えてなくならないかぎり、このあたりに落ちているものと思ったからです。

この広い原っぱには、ほかにだれも遊んではいませんでした。彼は、勇ちゃんが、スパイクを買ってもらったら、自分もお母さんに買ってもらうお約束があるので、さっきも勇ちゃんと、その話をしていたのでした。

「ね、君は、いつスパイクを買ってもらうの?」

「お父さんが、旅行からお帰りになったら。」と、勇ちゃんはいいました。

「君が、買ってもらったら、ぼくにも買ってやると、お母さんがいったよ。」

二人は、早くその日のくるのが楽しみだったのです。

正吉くんは、いまも、そのことを考えていると、ふいに、