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しょうねんじだい

少年時代

幸田 露伴

「今世少年 10月増刊号 今世英傑少年時代」1900(明治33)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,088 字 · 14 页

青空文庫

然し此不出来であったのが全く学校なれざるためであって、程なく出来るようになって来た。で、此頃はまだ頻りに学校で抜擢ということが流行って、少し他の生徒より出来がよければ抜擢してずんずん進級せしめたのです。私もそれで幸いにどしどし他の生徒を乗越して抜擢されて、十三の年に小学校だけは卒業して仕舞った。

この小学校に通って居る間に種々の可笑しい話があるので。同級の生徒の中に西勃平というのと細川順太郎というのと私と、先ず此三人が年も同じ十一二歳で、気が合った朋友であった。この西勃平というのは、ああ今でも顔を能く覚えて居る。肥った饅頭面の、眼の小さい、随分おもしろい盛んな湾泊者で、相撲を取って負かして置いて罵って遣ると、小さい眼からポロポロと涙を溢しながら非常な勢いで突かかって来るというような愉快な男でした。それで、己は周勃と陳平とを一緒にしたんだなどと意張るのです。すると私が、何だ貴様が周勃と陳平とを一緒にしたのなら己は正成と正行とを一緒にしたのだと云って互に意張り合って、さあ来いというので角力を取る、喧嘩をする。正行が鼻血を出したり、陳平が泣面をしたりするという騒ぎが毎々でした。