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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
かれはこういってようやく就任した。万歳の声が森にひびき雪の野をわたって平和湖までとどろいた。
この夜富士男はひそかに弟の次郎をよんだ。
「次郎君、ぼくが大統領になったのをきみはどう思うか」
「ぼくはひじょうにうれしいよ、兄さん」
「どうして?」
「兄さんが大統領になったから、どんな用事でもだれにでもいいつけられるだろう、そうすると兄さん……これからいちばんむずかしい仕事があったらぼくにいいつけてください、ぼくは命をすててもかまわないから」
富士男はにっこり笑っていった。
「よくいってくれたね次郎君、じつはぼくもそう思っているのだ」
サクラ湾頭に立てた旗がさんざんに破れたので、蘆をとって大きな球をつくりそれをさおの先につけることにした。八月といえば北半球の二月である。寒暖計の水銀は零点下三十度にくだる日が少なくなかった。少年らは終日室内から一歩も出ることはできない。かれらは喜んで富士男の指揮にしたがった。一同がもっとも感激したのはゴルドンの態度であった、かれは大統領の任を富士男にわたすとともに率先して他の少年とともに富士男の号令に服従して、もっとも美しき例をしめした。